1981年東京都生まれ。立教大学卒業後、2008年にオール讀物新人賞を受賞。10年『終点のあの子』でデビュー。
15年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞受賞、16年同作で高校生直木賞受賞。近著に『オール・ノット』『あいにくあんたのためじゃない』がある。
慶応義塾大学卒。在学中に訪れたシリアが帰国直後に内戦状態になったことをきっかけに、社会問題をテーマにした映画の配給宣伝を行うユナイテッドピープル株式会社に入社。同社取締役副社長を務める。2018年より独立し、映画イベントの企画運営や記事執筆等に携わる。大丸有SDGs映画祭のアンバサダー。著書に『世界を配給する人々』(春眠舎)。
優しい母を亡くし横暴な父の言いなりとなったセリーは、父の決めた相手と結婚し、自由のない生活を送っていた。さらに、唯一の心の支えだった最愛の妹ネティとも生き別れてしまう。そんな中、セリーは自立した強い女性ソフィアと、歌手になる夢を叶えたシュグと出会う。彼女たちの生き方に心を動かされたセリーは、少しずつ自分を愛し未来を変えていこうとする。そして遂に、セリーは家を出る決意をし、運命が大きく動き出す…。
製作総指揮:オプラ・ウィンフリー、スティーブン・スピルバーグ、スコット・サンダース、クインシー・ジョーンズ
監督:ブリッツ・バザウレ
原作:アリス・ウォーカー
141分/アメリカ/英語/2023年
10:00~12:25 映画上映
12:25~12:35 休憩
12:35~13:20 トークセッション
アリス・ウォーカーの小説を原作にスティーヴン・スピルバーグが「カラーパープル」を映画化したのが1985年。家庭内暴力、性的虐待、貧困、人種差別、そして性差別という過酷な問題が詰まった物語ということもあり、公開前のメディアの評価は芳しくありませんでしたが、口コミで評判となり5カ月以上も上映されるロングランヒットを記録しました。そして2023年、不屈のシスターフッドの精神を、大胆な解釈と、パワフルかつ美しい音楽で表現したミュージカル版として新たに制作されたのがこの作品です。
映画の舞台となる1900年代初頭は、今回のTALK SESSIONのゲスト、柚木麻子さんが書かれた「らんたん」の中で描かれた河合道さんや一色ゆりさん、津田梅子さんなどが活躍したのと同じ時代です。アメリカと日本、場所はちがっていても男性と比べ様々な権利が制限され、暴力にさらされ、自由を剥奪された当時の女性たちが、それに疑問を持ち、立ち上がり、自らの尊厳と未来のために闘った歴史が、現代に生きる私たちの選択肢と可能性を広げてくれました。
これまでのメディアでは「女性の敵は女性」として、女性たちが様々な“ちがい”を原因に争う姿が面白おかしく描かれてきました。しかし近年女性の描かれ方が変化してきました。この映画もその一つです。一見敵対しそうな状況にいる女性たちが助け合い、それぞれの役割を超えて助け合い、高めあう姿は私たちを強くエンパワメントしてくれます。映画を通して、これからのシスターフッドを考えます。